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★ 『天野太郎の建築展 あるべきようは』 [展覧会・アートイベント etc.]

★ きのうの昼休み、東京藝術大学美術館・陳列館へ
  『天野太郎の建築展 あるべきようは』を見に行く。

 天野太郎_5249-1.jpg

 藝大の絵画棟、彫刻棟、図書館は天野太郎の設計であることは在学中から知っていた。

 建築家である伯父が、絵画棟を設計した芸大の先生である「天野太郎」という名前を知っていて、
 その伯父から聞いていたが、あまりおもしろい建築じゃないなぁ、と言っていたのを覚えていた。
 たしかに強い個性は感じないが、造形はシャープでいま思えば採光も悪くない。
 いまちゃんと見ればよく練られた建築のプログラムに思える。

 あの大石膏室では、大学院入試でヴェロッキオ作「コッレオーニ将軍騎馬像」を描いた。
 ほぼこのチラシ/ポスターの写真と同じ角度で、もう少し像に近い位置で描いた。
 光の美しさにかなりテンションが上がって、いい気分で描いたのを思い出す。

 というわけで、帰り際にこのポストカードを2枚購入。

 展覧会は5月23日(日)まで

★『東京国立博物館本館 —モザイク装飾を読み解く』 [博物館・美術館]

★ まことにためになる講演会だった。
 上野ミュージアムウィーク ―「国際博物館の日」記念事業2010―
「東京国立博物館本館—モザイク装飾を読み解く」@東京国立博物館 大講堂

  講 師
 ・坂井編集企画事務所                 坂井 基樹 氏
 ・左官工                       久住 有生
 ・INAXミュージアム活動推進室室長/ものづくり工房室長 後藤 泰男 氏

 ゆらぎモザイク孝_1245.jpg
  『ゆらぎ モザイク考―粒子の日本美』 INAX出版

 INAXミュージアムで、2009年1月10日(土)~6月16日(火)に開催された展覧会
  ゆらぎ モザイク考 ―粒子の日本美には残念ながら行けなかったが、
 講演会はこの展覧会で部分再現されたモザイク壁面の制作プロセスの流れにそって進行。
  ※展覧会で再現されたモザイク壁が素晴らしい出来!

 復興本館(東京帝室博物館)が、日本の伝統技術と手のわざの粋を結集して作られた事が、
 現在に残る休憩室(現ラウンジ)の壁面装飾を再現することで明らかにされてゆく。
 → http://www.inax.co.jp/company/news/2009/070_culture_0119_363.html

 本館の自然採光利用の照明に関する設計については、
 以前共同執筆した 『昭和初期の博物館建築―東京博物館と東京帝室博物館』に書いたが、
 照明だけでなく、構造・設備・工法・意匠の全てにおいて当時の最高の英知が結集している。

 左官工の久住氏の話がおもしろい。
 特に漆喰を最後に仕上げる段階で、先人がどのようにこの壁を作ったのか観察し、
 試行錯誤しながら最終的に“ささら”のような道具で仕上げることを選択する。
 これはもう職人の域を超えて、かなりクリエイティブの域に達している作業だ。
 しかしフィニッシュは、全体として個人的な作為を押さえ込んでいく葛藤を語る
 ・・・照明の仕上げ作業と一緒だと感じた。エゴを押さえ込むのである。

 実は恥ずかしながら、この部屋のモザイク!?は、いわゆる正統なモザイクではないので、
 タイルを少なく漆喰壁をスクラッチ表現にして、簡略に仕上げたものだと思っていたのだが、
 これが今回の講演会で、たいへんな勘違いをしていることがわかった。
 むしろタイルで埋め尽くす表現よりも、難しいデザインと施工技術なのだ!

 また、実施設計のスケッチ(青図)はあるが、当時の職人の創意工夫で出来たのではないか?
 という当初の見解に反して、当時の発注仕様書?を読むと、材料の混合割合なども
 詳細に記録されているのが紹介されていた。今度資料を読み直してみよう。

 “洋”の知の結集が、“和”の伝統技術によって現実の建物になっているところが、
 この本館の「近代和風」としての本質なのだということを、あらためて実感することができた。


★つづきがある。
 講演会終了後、参加者は本館のモザイクのあるラウンジの部屋に移動。
 ここで今回の進行をされた坂井氏にご挨拶。(僕の事をすでにご存知だったようで恐縮)

 また、帝室博物館の実施設計にあたった、宮内省内匠寮・雪野元吉のご子息である、
 雪野 潔氏にもお会いするという、まことに光栄な機会にも恵まれたのである。

 雪野元吉氏は東京美術学校の図案科2部(建築)、雪野潔氏は東京藝大建築科出身とのこと。
 デザイン科も図案科であるから、つい母校の先輩ということで親近感を抱いてしまった。
 僕は今でも雪野の印の押された復興本館の図面を引いては仕事をすることもある・・・。
 
 明治から昭和初期の美術学校出身といえば、建築の世界では帝大の建築家こそが、
 “the architect”の時代であるから、帝室博物館建設の議事録でも、
 伊東忠太を始めとする帝大系の名は有るが、内匠寮の現場の設計者の名は表に出ない。
 しかし雪野の筆になる優美な装飾美に比せば、伊東のあの趣味はどうかと///それはまた別の議論で。


★家に戻って雑誌を整理してたら、こんなファッション雑誌が、、
 東博本館ラウンジのモザイクをバックに稲垣吾郎が表紙:MR・2000年8月号
 MR 2000 08_1247.jpg

 そういえば僕も何かの雑誌取材の時、ここで撮影したな。
 ずいぶん吾郎ちゃんとは違うけど///
 

★『侍と私』 [展覧会・アートイベント etc.]

★きょうは振替休日。
 夕方から東京都写真美術館の内覧会 『侍と私 ーポートレイトが語る初期写真ー』

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 美術館壁面グラフィック:ナダール ≪題不詳(甲冑姿の河津伊豆守)≫ 鶏卵紙 1864年

 印画紙に焼き付けられた、幕末明治の武士の姿をどうしても見たくなって出掛けた。
 茶の湯を始めてから、着物・袴・羽織を纏う侍の着こなしを意識して見るようになった。

 日本人体形を立派に見せるのに最もふさわしいのは、男なら羽織・袴である。
 もちろん兜・甲冑・帯刀の姿で毅然とした表情で立つ姿には力強い美しさがある。

☆鶏卵紙、アンブロタイプ、ダゲレオタイプ・・保存の難しい貴重な初期写真が並ぶ展示。
 壁面やケースの一枚一枚を眺める。
 写真美術館のコレクションによるテーマ展だが、展示と照明にはかなり苦労している模様。

 解説のキャプションも、小ポイントで文字数も多いのでちょっと読みづらい。
 といって詳しい解説が無いと、歴史的な背景・技術的な価値は伝わりにくいのだろう。

 現代写真の展示はアートとして見せればよいが、
「肖像」をテーマとする「写真」の展覧形式は工夫を要するのだと感じた。

 同時開催は 古屋誠一 メモワール. 「愛の復讐、共に離れて…」
 こちらは時間切れでほぼ素通りだった。のちほど図録にて鑑賞。

★ イノシシ頭骨 [骨・美術解剖学・身体]

★ イノシシ頭骨は、2007年・亥年の年賀状!? 作成用に撮影した時の1枚。

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 撮影地:2006年・年末の代々木公園
 カメラ:RICOH CAPLIO GX100

 上野・EXPOで購入、下顎からガッと伸びた牙が気に入った。

 撮影時は自作のブタ頭骨とペアでインスタレーションしたが、
 イノシシ単体だと野性味がありすぎな感じなので、年賀状では
 ちょっと気合いの足りない表情のブタとの組み合わせが丁度良い感じになった。
 中国・朝鮮半島では亥年ではなく豚年らしいので、、

 ヒトとの関わりではシカはイノシシと並んで古い。(イノシシのほうが古いか)
 コレクションの中にツノのある頭骨はシカ一つしかないな・・
 こんどシカとイノシシのペアで撮影会をしてみよう。


★ 『2人の夫とわたしの事情』 [芸能・演劇・映画・音楽 etc.]

『2人の夫とわたしの事情』 Bunkamura シアターコクーン
 ”Home and Beauty” in London, “Too Many Husband” in NewYork

 以前ラジオのゲストで渡辺徹が宣伝していて興味を持っていた芝居。
          (渡辺徹は現在でも劇団文学座所属。偉い!)
 職場の同僚から招待状をいただいて、観劇する機会に恵まれた。。

 IMG_1229.JPG
 ポスター・イラストレーションは金子國義

 キャスト:松たか子、段田安則、渡辺徹、新橋耐子、皆川猿時、水野あや
      猪岐英人、池谷のぶえ、西尾まり、皆戸麻衣
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       作:ウィリアム・サマセット・モーム
         William Somerset Maugham
 演出・上演台本:ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA、本名:小林 一三)
      翻訳:徐賀世子
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 サマセット・モームって?
 Wikiによると、1965年12月16日(満91歳)没とある。
 昔の人かと思っていたら、僕の人生とも3ヶ月くらい重なっている!?

 さてシアターコクーンはいつ来ただろう・・・記憶に無いほど久しぶり。

 幕が開いてすぐ、松たか子の芝居に引き込まれる、、
 あまり芝居を見慣れない自分でも、ぐいぐい引き込まれて、
 3幕構成・2時間40分があっという間に過ぎた。

 時代は第一次大戦後のイギリスにおける、そこそこアッパークラス家庭での話。
 ドイツとの戦線で夫が死んだという誤報(軍隊からの正式の通知)から、
 未亡人が亡き夫の親友と再婚したが、死んだはずの夫が帰ってきて・・・という話。

 1幕目:ピンクと白の縦縞壁紙の、暖炉のある寝室。
     ネイリストとの掛け合いから芝居がはじまる。
 2幕目:岡本太郎調の彫刻が2つ配された、
     奇抜なインテリアのリビング(エントランスホール)
     安定の悪いソファ。
     屋外との仕切りの黄色い枠の窓が面白い。
 3幕目:勝手口から階段で降りた、おそらく地下にあるキッチン
     出入り口が2つあるのが面白い。

 イギリス人って、結婚観・宗教観・階級・美意識・・・
 屈折してるというか、なんだか変だなっていう芝居。
 サマセット・モームの人生を見てみると、納得させられたが。。

 もろもろ今の日本の事情にも上手くあわせて脚本が練られている気がした。
 GW最後の日。
 楽しませていただきました。ヤギパック!?に感謝。

★ 根津美術館へ「燕子花」を見に行こう [博物館・美術館]

★「燕子花図屏風」を見に 根津美術館へ、
  GW中は夜間開館(〜19:00まで)している。

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 2008年 秋の特別展 「大琳派展」で2週間だけ展示された「国宝 燕子花図屏風」
 この時、最初の数日間の展示では、照明効果が悪く、散々な思い出が・・・
 すぐに照明実験を行なって、ケース内照明を改造・手直し工事を経て、
 なんとかぎりぎりその魅力を発揮させることができた? のだが、、、
 新装なった美術館でこの屏風を見るのを楽しみにしていた。

 6時すぎに入館すると、「今ならまだ庭をごらんいただけます」とのことで、
 燕子花(杜若)が開花しているとネットでの情報を期待して・・・

 燕子花_根津美術館.jpg
 陽光は暗くなってきたが、咲き誇るカキツバタの姿が、かえって神秘的な感じに見えた。
  ↓
 http://www.nezu-muse.or.jp/jp/guide/garden.html


★さて展示室へと・・

 なるほど、ケース外からの下部LED照明は、効果的に金箔の箔足を演出して、
 画面空間の奥行きを表す事に成功している。
 上部光ファイバースポットは、各面に対して正面から当るよう、
 クロスしてフォーカスされている。 /これは定石といえるか。。

 燕子花、は100mmほど高い台に乗っているが、影は出ていない。
 ケース外のLED位置が、うまい高さに設定されているようだ。
(そのせいで台がないと、離れると屏風下部が見切れてしまうのだが)
 それでもLEDは、群青と緑青の鑑賞効果はほんとうにクリアーに見せてくれる。

★宗達の工房によるとされる「桜下蹴鞠図」が素晴らしいと思ったが、
 せっかくの桜=胡粉の盛り上げの見せ方は、今後の課題だろう。

 このような絵画は、ケースのガラス外から照明を当てる角度だと、
 胡粉の白が輝いて見えるようになるのだが・・・
 それがなかなか難しい、、いつも悩まされるところ。
 しかも胡粉は剥落してしまっている場合も多いので、、、

☆茶の展示室「燕子花図屏風風の茶」も少し覗く。
 小堀遠州作の茶杓・共筒「五月雨」に惹かれる。

 もう一度、燕子花図の部屋へ。閉館間際まで鑑賞する人が5、6人。
 近づいて色彩と輝きの変化を、はなれて全体構成を、庭園で見た、
 リアル杜若の光景とあわせて画面空間を堪能。

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 庭園の充実具合は、東博の庭園も見習うべきとところが多い。
 石人の配置や石組み、サインなども、、、

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★フランク・ ブラングィン展 [展覧会・アートイベント etc.]

★ 東洋館がまるで別の建築に見える。
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★ GW谷間の昼休みは西洋美術館へ足が向いたので、
 国立西洋美術館開館50周年記念事業
  フランク・ ブラングィン展
 http://www.fb2010.jp/main/
 100430 フランク・ブラングィン_1179.jpg

★美術館などの建築、家具・インテリア・展示・グラフィックのデザイン、版画、油絵・・・
 展覧会は、松方幸次郎との出会いまで・出会ってから・その後の展開、の3部構成。

 当時は油画での成功が華々しかったようだが、そんなに好みではないなぁ・・・と見て進む。
 色彩やタッチは面白いが、なにか「聖なる空気感」のようなものを感じない。
 デザインも、モダンへの過渡期としての位置づけ、のように見えてしまう、か?

 最後のほうのコーナーの、ずらっと並んだ“ピラネージ風”のリトグラフが目をひいた。
 ブラングィンは、ピラネージやレンブラントの版画をコレクションしていた、と解説にある。
 と、キャプションの所蔵を見ると、、、“東京国立博物館”とある。(このコーナーすべて!)

 そういえばなにかの書類でみた記憶の片隅にあったような・・・
 かつてGiovanni Battista Piranesiの世界観にはまってしまったこともある自分としては、
 東博ではさすがに展示される機会(場所)はないよなぁ、と思いつつ、会場をあとにする。

 仕事場に戻って収蔵の経緯を調べると、松方関係で博物館に入ったのかと思って検索すると、
 どうやらブラングィン本人から大正時代の初め頃に、直接寄贈されたとの記録が。。

 このリトを見るだけでもこの展覧会、オススメです。
  5月30日(日)まで

黒猫★☆白蜂

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黒猫★☆白蜂